「 あれ、佐倉乃さんやないか、どないしたん?誰かと待ち合わせか? 」
奏御嬢様の教室の廊下の前で姿勢を正して立っていると不意に声を掛けられ少しだけ俯かせていた顔を上げる。すると学園一の美少年だ、と噂されている志摩柔造が目に入り、ボクは志摩柔造に目線をチラリと向けて返事を出す。
「 ああ、そうだ。……奏御嬢様は此所に居るか? 」
「 涼月さん、か?チャイム鳴ったと一緒にどっか行きはられたけど。 」
「 え、え、や、うあえ!? 」
「 ブハッ、何やその奇声! 」
き、奇声だと…?!
生憎ボクはそんなモノを出した覚えは微塵もない。なんて失礼極まり無いのだろうか、志摩柔造は……この様な奴が学園一の美少年だなんてボクは認めたくない、絶対に。ボクは反論しようと口を開いた所で視界が、揺らいだ。
志摩柔造が焦った声でボクの名字を呼ぶがボクはそれに反応出来ず私の意識は暗闇へと落ちた。
*
「 ――――…ん、あ…? 」
「 おおおおお起きはった?! 」
「 此所は…、と言うか何をそんなに慌てる必要があるんだ志摩柔造? 」
目を開けると白い天井とは正反対の黒い髪が見えた。視線を横にずらすと、頬を赤くして珍しく吃っている志摩柔造が居た。周りをキョロキョロと見ると此所が医務室と分かり、次は志摩柔造について訊いてみた。すると志摩柔造は頬を赤くしながらボクの服を指指す。不思議に思いながら服に目を向けると、……ボタンが取れていた。
「 …………?! 」
「 ち、ちゃうねん!先生に訊いたら熱やっちゅーさかい、体拭こうと思ぉて…!、って、痛ァ! 」
「 み、―――見たからには誰にも言うなよッ私が女ってことを! 」
「 んー…せやけど俺には何のメリットもないやん? 」
「 !、……何が目的だ、志摩柔造。 」
「 ははっそないに固くならんでええよ。……せやな、簡単に言うと、や。 」
志摩柔造はグッと身を乗り出し、私の耳元で甘い声で囁いた。
俺と付きおうてや?( え、な、んな、え? )
( 前からかいらし子って思ぉてたんや )
( か、か……――――ッ?! )
( あ、ちょぉ佐倉乃さん?! )  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
無意識な策士フラグ一級建築士ド天然
女誑し天然キラー天然記念物is志摩
柔造だと管理人は思います´・ω・`
そして途中から夢主の一人称がボクか
ら私にチェンジしたのに気付いてくだ
さると此方は嬉しいです、`・ω・´
11.08.17.三輪連騾