SSS
□志摩と十年後
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※ 原作から十年後
自分の部屋の、押し入れの中を掃除しようと下にある段ボールを引っ張り出してガムテープを慎重に剥がし中を覗き込むと一番上にかいらしい水色のクマがプリントされた封筒に先ず目が行った。不思議に思い、封筒を手に取り、某青いペンギンが描かれたシールを取り中身を見る。
そこには一枚の紙切れがあり、私は首を傾げた。
取り敢えず中を見ようと紙切れを封筒から出し開いてみる。そこには長々と書かれた文―――とも言えるけれど、疑問文がズラリと並び最後に淡々とした文が見える。
《 十年後の私へ
今は幸せでしょうか?
それとも悲みで泣いてるのでしょうか?
けど、あなたの傍に変わらないものがあり気付いていないだけで守られていませんか?
今は誰を好きですか?
それとも変わらずにあの人が好きですか?
けどいつか知らない誰かを愛する前に自分のことを好きと言えるようになりましたか?
大切な人たちは今も変わらずいますか?
それとも遠くに離れ各々に歩んでますか?
けどそんな出会いを別れを繰り返して「今の私」よりもすてきになっていますか?
今がもし幸せならあの日の私のこと思い出してくれますか
そこには辛い事に泣いた私がいるけどその涙を優しく思い出に変えてください 》
―――――嗚呼、思い出した。
気付けば私は涙をボロボロと流していて様子を見に来た ″あの人 ″―――廉造がと目を見開いて慌てて私に近寄ってきた。
「 ど、どないしてん! 」
『 ふふ、廉造……ちょっと昔のことを思い出しちゃって。 』
「 昔? もしかして、祓魔塾の時? 」
廉造がきょとん、とした顔で首を傾げる。私はくすくすと笑いながら涙を拭い、手紙に目をやる。――――あ、昔についた濃い水玉に新しい水玉がついてしまった。
廉造がじいっ、と私の手にある手紙を穴が空くほど見つめ、吹き出した。
「 ふはっ、亞李朱てこないなこと書くんやなあ。 」
『 …………五月蝿い。 』
「 そないな怒らんでええやんか、……十年前の自分に返事出さんでええんか? 」
『 え? 』
「 嫌やなあ、手紙っちゅう意味分かってはります? 」
『 わ、分かってるけど… 』
「 じゃあほら、書きましょうよ! 」
『 う、ええ…返事って、ううん… 』
「 見やんとくから絶対返事書いてな? 」
『 何で廉造が返事要求するの。 』
「 ノリで。 」
『 後で絶対しばいてやるんだから…! 』
廉造は、はいはい、と笑って私の部屋を出ていった。廉造に強制的に押し付けられたシャーペンの先を顎にあて唸る。
自分に返事、かあ―――十年前の私が質問で手紙を書いてるのだから、此方も質問で手紙を書くべきか―――はたまた答えを書くべきか。まあ、質問で良いだろう、けれど最後の文は何故か決まっていた。
″あの人 ″は私の現旦那です
( かいらしいこと書いてくれるやんか )
( きゃあああああ廉造見ないでええ )
( ええやんか、見るつもりやったし )
( このためだったの…! )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
十年前の私が書いた手紙の内容は初音
ミクが歌うletter songより引用致し
ました、ありがとう御座いますっ!、
過去の ″私 ″を出したかった、と密
かに思う自分。 勝呂にしようか迷い
ました…ですが、アニメのせいで…葬
式上げたあとですからね、誰って勝呂
ファン様達がですよ、正直私だってア
ニメ見るのやめようか迷いました…。
11.08.14.三輪連騾