中編、歌詞パロ

□ニ
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 □ニセ物アイ心




『 、はあ? 』


放課後の夕暮れが眩しく綺麗な時、サボ――‥授業ボイコットに一番適している屋上。あたしの目の前には“あの”有名なサッカー部の有名なキャプテン。此所まで来て分からない子は相当な鈍感だと言いたいのだけれど。…そう、あたしは今、このサッカー部の有名なキャプテンくんに告白をされたのだ。


『 、い、意味わかんない、 』

「 冴木が好きだ、 」

『 な、何で、…話したことは一年のあの時だけだし、そこに惚れる要素なんか無い。…‥それにさ、あたし、 』


不良、なんだけど。と、自分に向けて言うように小さな声でポツリと呟いた。キャプテンくんは驚く素振りは見せず、寧ろ全て知っている――と言ったような目であたしを見た。


「 それに、 」

『 、 』

「 冴木が化身使いでありフィフスセクターに潰された伝説且つ有名――“だった”男女混合サッカーチームのキャプテンだったと言うことも全て、 」


知っている。そう告げたキャプテンくんの表情は無表情で何を考えているか分からなかった。あたしの目は有り得ないほど見開いているんじゃないだろうか、息が詰まりそうになった。


『 …は、何言ってんの、あたしはご覧の通りの不良だけど。 』


馬鹿馬鹿しいと言わんばかりに嘲笑いキャプテンくんを見る。キャプテンくんの瞳には、眉根を寄せたあたしが映っていた。


「 ……ああ、自分だけじゃなく仲間も潰された挙げ句、キャプテンとしてのプライドやプレッシャーを傷付けられて自棄になって、 」

『 ……この話はもう止めた 』


態とらしくキャプテンくんの言葉を遮り、面倒くさそうにツインテールにしてある片方の髪を弄る。流し目でキャプテンくんを見ると何とも言えない表情をしながらも黙っていてくれている、…聞き分け良いじゃない。


『 で、私が好き?だったっけ。そうね、…――そうだ、あたしの言う七つの御願いを一ヶ月以内に叶えられたら返事を上げるわ。好きか嫌いか、どちらに転ぶかはアンタの行動次第よ?

ああ、それから。 』


明日の放課後、屋上に来て。とキャプテンくんの耳元で呟き、あたしは意地悪気に口元を緩ませてから屋上の錆びたドアを開けてキャプテンくんを余所に屋上を後にした。




 
   ( …意外に楽しくなりそう、 )





      11.09.16.三輪連騾

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