K-ON!! Lost A Day

□第二話「再会、入部、発覚?」
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とぼとぼと歩く俺と少女。
いい加減、少女ってのも嫌だな。

「なぁ?名前、聞いていいか?」
「はい!?」

いや、そんなに驚かなくても…
まぁ、少し話をしただけで無言だったから無理もないか。

「名前だよ。名前。あぁ、俺は如月。」
「名前…?あ、梓です!!」
「アズサ、ね。木偏に辛いで梓?」
「からくないです!!」

うがーっと剣幕立てる梓。
なんだか妹みたいに思えてくる。

「ははは。ごめんごめん。」
「むぅ。」

お、今度は膨れっ面。
百面相か?

「膨れるなよ。」

言って、タバコに手が伸びて、止めた。
歩きタバコになるし、梓も居る。
副流煙なんざ吸わせられん。

「あ、着きました。」
「ん?あぁ。デカい家だな。」

言われて気が付けば梓の家の前まで来ていたようで。
1キロなんざあっという間だった。

「なか…の…?」
「あ、はい。」

ふと、目についた表札に驚愕してしまう。
まさか、な…

「あ、いや。何でもない。」
「そうですか?では…あ、ありがとうございました!!」

なんとか言葉を吐き出す。
梓があの人の娘な訳がない。
そう自分に言い聞かせる。
けど、どこかでそれを否定していたりする。

「お礼を言われる程じゃないさ。じゃ、またな。梓。」
「あ、はい♪また、です。」

ピョコピョコと揺れる梓のツインテールが家に消えるのを見送って、一息つく。

「まさか、中野とはね…」
「ウチがどうかしましたか?」

俺が呟いた言葉に不意に返事が帰ってきた。
何事かと、振り返れば黒いスーツを身に纏った青年。
整った顔立ちにオールバックにした髪型がマッチしている。

あぁ。やっぱりか。
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