明歌華鬼


□第九夜
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数分後、彌帆が性別がばれたことを報告した


土「そうか、 那倉
こいつらはある事情で屯所預かりになっていてな

ついでに腕がたつんで隊士になっている
だが女だとバレると隊の規律が乱れる可能性がある
だから男装して男として入隊させた
ちなみにこいつらの事情を知ってるのは幹部の一握りしか知らない
ここまで言えばお前ならわかるな」



土方は話を一旦切り倖を見た


倖「…つまり彌帆ちゃん達の性別については黙っていろということですね?」


倖が土方から目をそらさずに聞き返した


土「あぁ そうだ …わかってくれるか?」


倖「…う〜ん」


倖が考えるように口許に手を当てた


土「なんだ?なにか不満でもあるのか?
もし口外しないと言わないのならお前を斬るということも考えなきゃいけなくなるんだが」


土方が自分の横においてある刀に手をかけながら聞く

刀がカチャっと鳴る音が嫌に響いた



ど、どうしよ
このままじゃ倖君が斬られちゃう!!

この場に止めてくれそうな人はいないし、沖田さんはただにこにこ事の成り行きを見てるし

やっやっぱり私が行くしかないのかな?


彌帆はさっきとは違うドキドキで頭がショートしていた


そんなとき彌帆の耳に冷静な倖の声が届いた

倖「えっと、とりあえず刀 置いてもらってもいいですか?
口外はもちろんしません
僕だって斬られたくはないし、
それから、一つ提案したいんですがいいですか?」

土「提案?」

土方が訝しげな顔をして倖に聞き返した




倖「はい
副長は先程 彌帆ちゃん達の事情を知っているのは幹部の一握りだけと言いましたよね?

それだとあまりにも彌帆ちゃん達が不便じゃないですか?

何かあったときいつも幹部の皆さんが守れるとも限りませんし、
変に構いすぎたら彌帆ちゃん達だけ贔屓だと、他の隊士達から恨みを買っていじめが始まるでしょう」


土「…つまり そうならないために自分にも事情をすべて教ろと
そう言いてえのか?」


倖「はい その通りです
流石副長ですね」


倖はヘラっと笑い 土方をみた


それに対し土方は倖をにらみ返し、チラッと彌帆を見た

「…いいですよ
私達は別に人に言って困るような話でもないし
倖君が信じるかどうかわからないし」

私はじっと倖君を見つめながら言った


倖「(かわいい////)信じる?」


倖は彌帆が自分を見つめてくることに内心ときめくも、彌帆の言ったことに対して引っ掛かった事を反復した


その光景を見た沖田はムッとしてその彌帆の視線を遮断するように二人の間に割り込んだ


沖「え〜言っちゃうんですか?
平隊士の一人なんかに言って大丈夫ですかね?
もしかしたら明日にはもう屯所中に噂が出回ってるかもしれませんよ?」

土「お前は今まで静かだと思ったらまた…

お前はそのまま黙ってろ


那倉 お前の提案にも納得がいく、そして本人の許しも得た

つー事でお前に話してやる
ここだと誰に聞かれるとも限らねぇから場所を変える、着いてこい」


土方はそういうと立ち上がり、倖を室外へ行かせた

土「っと折原と総司 お前達は仕事に戻れ
那倉は話終わったら返す
何か騒ぐやつがいたら俺の名前だしとけ
すぐ黙るだろ」

土方はそういうと障子を閉めて倖を連れていった
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