明歌華鬼


□第一夜
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「そんなことより! 娜津 部活はどうしたの?今日剣道部のヘルプだったよね?
胴着着たままだけど、終わったの?」


私たちは一応この薄桜学園 真剣部に所属している


この学園には普通の学校にある剣道部とは別に"真剣部"というものがある



剣道部はほかの学校と同じく竹刀で行うが、新剣部ではすべて真剣で行い、あの沖田総司が使っていたと言う



天然理心流を伝授している



それは

・この学校が沖田総司の出身地多摩にある

・天然理心流に子供のころからふれている生徒が多い

・校長自身が天然理心流皆伝を持っている

この三つの理由がある


なので毎年この学園には天然理心流を習おうと

全国から生徒が集まってくる




誰でも一度は聞いたことのある新選組一番組組長沖田総司と同じ流派を習えるというなら、好きなやつはどんなに遠くからでも来るだろう


私と娜津はそんな多くの者たちが集まる部内での実力は上の上に値してたりする


(どうしても勝てない人たちがいるんだけどね…)


真剣部では真剣を使用するため、天然理心流免許皆伝を持った者三人が必ず監督しなければならないという決まりがある


この日はいつも監督しているうちの一人が出張のため、真剣部は休み



そしてちょうどよく剣道部からの練習試合のヘルプ要請が来ていたため、娜津が一人その練習試合に出ていたのだ


「うん
今その試合が終わったから彌帆迎えに来たとこ」



「そうなんだおつかれさま
じゃあ帰ろっか
てか娜津胴着で帰るの?)」



「うん
着替えるのめんどくて」



「そっか
じゃ 行こっか」
 
下駄箱へ行き、
靴を履き、片手に鞄腰に愛刀を差し、正面玄関を出る



…あ、因みにこの学園は
天然理心流を学ぶ場として

特別に国に刀の持ち込みが許されている

しかし持てるのは天然理心流皆伝者が許した生徒だけ

さらに国にも申請を出さなければならない

試合ももちろんのこと真剣

将来は天然理心流皆伝者として道場を開いたり、警察、自衛隊などに教えるものも多い

二人が持つ刀は記憶のない両親の形見で腕前もあるため、常に身に付けるようにしている








「彌帆どした?
早くしないと日が沈むぞ?」


「あ ごめん
今いく!」

娜津は靴ではなく足袋に草履をはいている


だって 胴着にローファーじゃ
カッコ悪いでしょ?



私は小走りで娜津に駆け寄った
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