少年陰陽師×灰男

□第1話
1ページ/3ページ


日が山の向こうに消え、とうに数時間がたった

近くに村のないこの場は闇に包まれている

その中を走る少女が一人いた












「あ〜たくっ
この森どんだけ広いんだよ!?俺方向音痴なのに!!」


兄上は湖の近くだって言ってたけど、その湖も全然見当たんないし、
太裳は 天空からの連絡でお祖父様のとこに行っていて今日はいないし…


はぁ… どうしよ[…ザザ……もしもし?娜嗣聞こえてる?]




「兄上? どうしたの?
本部でなんかあった?」



[ いや 特に何もないけど… 娜嗣がさみしがってるんじゃないかと思ってね ]



「んなっ! さ、寂しくなんてないよ 全然!!
一人で大丈夫! できるもん!」


兄上は俺をまた子供扱いして!







[ザ… そう? 俺的には今すぐ娜嗣のとこへ行って 抱き締「あぁ もううるさい!!/////
なんで平安時代から来た日本人なのにそんなはずいこと言えるの!?////」え?俺、恥ずかしいことなんていった?
あっ それと 娜嗣
もしかして今迷ってたりする?]





素かこいつ てか、バレてる(汗)
まぁ一人任務のたび迷ってるからなぁ




「お察しの通り 数時間明かりのない場所で迷子です」




[やっぱりね
どうして 術を使わないの?]





……………………へ?




[迷子防止用の術があっただろう
符にいきたい場所を念じながら式神を作るやつ
もしかして忘れてたのか]




「(あぁーあったあった、というかうちが作ったんじゃん!
なんで忘れてんだよ)
い、今やろうと思ってたんだよ!」



少女は足をいったんとめ、懐から符を取りだし呪を唱え鳥の形に折り、空中に投げた



「我が力を糧とし、我を導け」




すると符は本物の鳥のように羽ばたきくるくるとその場で回ると目的地が決まったのかその方向に飛び始めた





少女はその式神の後を追った





[娜嗣の方向音痴って小さい頃から全然治らないよねぇ
せっかく迷子防止用の術を作っても忘れてるし]


「あぁもううるさいなぁ
今任務中なの 用事がないなら電話しないでよ」



[はぅ 娜嗣が冷たい(泣)
娜嗣が心配でご飯も喉を通さないといいのに
昔の娜嗣は俺の後をくっついて回ってにいさまにいさまって
俺が怪我をすると泣いて心配してくれた娜嗣がどうしてこんな冷たい子に、、、
どこで育てかたを間違えてしまったのか(泣)]



「だぁーかぁーらぁー
いつもいってるように兄上に育ててもらった記憶なんてないんだよ
うちを育ててくれたのは太裳なんだから」



[…………ちぇっ
乗ってくれてもいいじゃないか
娜嗣はホント太裳が好きだな
お兄ちゃんさびしい]


「あ――めんどくさい
誰か兄上連れてってよ―」



[めんどくさいってなんだよ
俺は娜嗣がかわいくて仕方ないだk[おーい昌浩、ジュリーから今日のちょこれぇとけぃき貰って来たぞ―]うわぁー!!もっくんのバカ!!]

[ん?また娜嗣に電話してたのか
昌浩お前暇だなぁ]


[もっくんなんで今来たんだよ!!
けぃきなら後で取りに行くってジュリー殿にも言ってあったのに!!]



[なにぃ!?何時もならもう食ってる時間だから俺は気を利かして持ってきてやったというのに!!]



[余計な御世話だ!なんでよりにもよって娜嗣と話してるときに持ってくるのかなぁ!?
いつもなら俺のけぃきでさえ食べようとする癖に!!]
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ