明歌華鬼
□第五夜
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「ん…」
朝 部屋を照らす日航の光に目が覚めた
「〈ん?もふもふ あったかい…〉」
彌帆は自分の胸の中にある黒いモフモフした物体にギュッと抱き着き直し、ゆっくりと目を開けた
氷「あ、お目覚めになられましたか? 彌帆?」
私の目の前には氷の逆さまの顔(なぜ逆さま…?)
昨日の夜
氷鈴華さんが氷と呼んでくれと言ってきたため
交換条件で私も様付けをやめてくれと頼んだ
最初は無理の一言だったが だったら私もさん付けをやめないと言うと
渋々ながら 呼び捨てで呼ばれるようになった
敬語も、と頼んだか
それだけは勘弁と言われたので まぁいいかと思っている
「おはよ〜 氷
早いね もう起きてたの?」
まだ目の覚めないまま氷に話しかけた
氷「もう、と言うよりは
まだ、ですね
我々は寝る必要がないので一晩中起きてました<ニコ>」
確かに昨日もそんなこと言ってたなぁ
ラ「彌帆様 おはようございます」
「ん?あ もふもふの正体はラウだったんだ」
昨日は大人の豹サイズだったラウは今は子猫サイズになり、彌帆の腕の中で丸くなっていた
「そういえばラウも好きな大きさになることができるって言ってたね」
昨日は泣き止んだ後氷鈴華さんたちのことを聞いてそのまま寝ちゃったんだっけ
氷「彌帆?」
……でも、そのわりには頭いたくないなぁ〜
少し固いけど…
寝心地はよかったな
…あれ?
目の前には氷の顔(逆さま)
頭には少し固くも温かい感覚…
「ねぇ… 氷
もしかしてさ…今、膝枕なんてしてる?」
氷「はい もちろんです」
「Σ(もちろんなの!!!?)」
氷「彌帆があまりにも寝苦しそうにしておりましたので、この部屋枕代わりになるものもなかったですし、(異界から取り出すこともできるんですが)…痛かったですか??」
氷が心配そうに見下ろしてきた
「う…ううううんんん!!!全然っ 寝心地よかった!あ、ありがとう<テレッ>/////」
氷「<ズッキューンvvv>
彌帆様
もったいなきお言葉」
氷は回りをキラキラとさせ幸せそうな顔になった
「氷 "様"付いてるよ」
氷「ハッ 失礼しました
つい 癖が 以後気を付けます フフ」
私は横にしていた体をお越し、楽しそうにしている氷を見つめた