明歌華鬼
□第三夜
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羅刹の死体から広がる赤い水溜まり
羅「ぎゃあああああ」
肉を断つ感触
羅「ひひひひひ」
どれも私が初めて見る、初めて感じるもの
やっぱり伊達にも新撰組隊士
なかなか急所に当たらない
心臓か頭を狙えばすぐ終わるってわかってるのに
ううん
きっと当たらないんじゃない
私が無意識の内に避けているんだ
私は人を殺す覚悟ができていない
羅刹は傷をつけるのが楽しいのか、傷を増やすように私を狙ってくる
足
太股
腹
心臓
腕
肩
首
頭
私のデコに刀の先が当たる
氷「彌帆様!!!!!!」
豹?「彌帆様!!!!!」
刀の当てた所から血が流れ落ちた
羅刹が刀に力を込め、振り上げた
斬られる!!
私は目を閉じた
「彌帆!!」
娜津の声…
ザッ
何かが斬れる音
でも 痛みが来ない…
まさか!!
目を開けると
目の前には小さくも大きい背中
「彌帆
ここは幕末だよ
いつもの道場じゃない
やらなきゃやられるんだよ」