明歌華鬼
□第一夜
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夕暮れの学校
「薄学ー!!!
ファイオーファイオーファイオー」
外からは部活動の掛け声が聞こえる
私はその声を遠くで聞きながら、暇つぶしに歌を歌っていた
♪♪
天津風よ 時の葉さえ
この想いを 枚散らせと
夢よ刹那 叶う逢瀬は
春の余韻 輪廻の果て
霞む この十六夜涙
♪♪
「フゥ」
「なぁ〜にが フゥ だよ」
歌い終わった余韻に浸かってると
聞き慣れた声が後ろから聞こえた
私はバッと振り返った
「娜津!!」
そこには剣道の胴着を着た 私の幼馴染兼親友の娜津が入り口近くの誰かの机に座り、ニヤリ顔でこちらを見ていた
「気持ち良さそうに大声で歌っちゃって
まだ生徒残ってるかも知れねーのに
ふふ」
え ちょ いつからいたのこの人!?////
「いつからって
天津風よ 時の葉さへ
この想いは 十六夜に〜 から」
「////」
さ・い・しょ・じゃん!!////
てか心読まないでよ!!
「は、はずかしぃ////」
「だって彌帆読みやすいんやもん
それにそんな恥ずかしがんなよ
きれいなソプラノでうらやましいなぁ」
「うぅ〜////」
とまぁ 私こと折原彌帆はこのように何時も園原娜津に弄られております