shanks

□好きの裏返し
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好き、と言わせて。
許されなくても、好きと。



「ベン、」

「ん?どした。」


あたし、


そこまで言って、口を閉ざした。
理由は簡単だ。

あの人の声が、聞こえたから。



「ナマエ?」


口を閉ざしたあたしを、怪訝そうに見つめるベン。


そんなベンの胸に飛び付きたくなるのは、あたしの心が弱ってるからか。



「あたし、さ。」


シャンクスが、好き。



そこまで呟いて、軽く息を吐き出す。
ベンを見ると、変わらぬ表情であたしを見てた。


「なんか反応してよ。」


少し気恥ずかしくなって、腕を小突く。


「反応するにしても、お前がお頭好きなのは船内で有名だしな。」




…唖然。
…呆然。



「…は?」


どういうこと。
と言おうと思っても、声が掠れて喉の奥で吐息と化す。



あたしの気持ちがバレてる?
なぜ、どうして、



「お前は気付いてないかもしれんが、お頭の前にいるときやけに冷たいだろ。」


あ、確かに。


「好きの裏返しって言うしな。」


フッと笑う、ベン。
その笑い方が妙に鼻につくのはあたしだけか。


「ベン、むかつく。」

「八つ当たりか。」

「大人の余裕なんか、消えてしまえばいい。」

「ナマエがガキすぎるんだろ。」


あんなに、分かりやすく好きな奴の前で性格が変わるのはナマエだけだ。


そんなベンの言葉が、嫌すぎる。



「シャンクスにもバレてる?」

「さあな。あの人は誰かさんにぞっこんだから。」


いってこいよ。


それは、どっちの意味なのか。



「ナマエー。」


その時、

声と、足音が近づいてくる。
ベンが、自然にあたしから離れていった。




「ナマエ、」



その声と同時に、後ろから腰に回される片腕。


「ベンの奴と、なに話してた?」

あたしの、大好きな声。


「…何でもいいでしょ。腕、離してよ。」


あ、やっぱり、
あたしって、分かりやすいかもしれない。


「よくねェし、離さねェ。言え、ナマエ。」

耳元で囁かれる言葉。
甘い吐息から逃れるように、あたしはシャンクスの方に身体を向ける。


絡む視線、シャンクスの甘い微笑み。


「シャンクスの、事よ。」


そう言ってから、フイっと視線を反らした。


「ほう、俺のことか。どんなことだ?」


どうして、そんなことを聞くのだ、

そう思って、シャンクスを見つめると、何もかも見透かされてそうな瞳と目があ
う。


「言えよ、ナマエ。」



言っていいの?
こんな言葉、許されるの?


「言って、いいの。」

「あァ、もちろんだ。」


そう言われて、あたしは軽く息を吸った。


シャンクスが、


そこまで言って、途切れる。
催促するかのように、シャンクスの腕が身体をさらに引き寄せた。


「好きって、話。」



熱い、
顔が、身体が。


シャンクスの顔なんて見れない。



「ナマエ。」


呼ばれたって、見れない。

だっていま、顔が真っ赤だから。


「ナマエ、」


でも、こうやって大好きな声で呼ばれたら、嫌でも反射的に向いてしまう。


そして、あたしは唇を捉えられた。


「…んっ。」


貪るかのように唇が求められて、名残惜しそうに離れていく。
目を開けると、大好きな人の顔が目の前にあって。
どきん、と胸が鳴った。



「俺もだ、ナマエ。」


シャンクスの口から発しられた言葉は、どうしてこんなに甘いのか、
そんなことを思いながら、あたし二度目のキスを受ける。


甘い、甘い、



蜜のようだ。



「…好き。」


無意識に放った言葉は、シャンクスの舌に溶けていく。


シャンクスはそれを味わうかのように、あたしのこぼれた唾を舐めた。


「好きだ。」




ナマエ、


「…あっ、ん…」



好きの裏返し。
ひっくり返せばほら、甘い世界が広がってる。



fin..



(お頭、)
(おいベン、邪魔すんな。)
(それより前に、場所をわきまえてくれ。見せつけられる俺らの気持ちになってく
れないか。)
(きっ、きゃああっ…!シャンクスのばかあっ!大嫌い!)
(あっおいっ、ナマエ!)
(はあ…)






結局、何したかったのか。
最近、書くのが雑になってきてる気が…

もちっと、構想ねろーっと。

いやー、シャンクスのキャラがずれてきてる気がする(ぇ





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