shanks

□赤い火に溺れる僕の君。
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あなたは、赤い火。
あたしは、ちっぽけな虫けら。

あなたに溺れることなど知らずに、灯りを求めて火へ飛び込むの。



手を、伸ばした。
その、赤髪に触れたくて。

なのに、手はあなたに捉えられる。


ちっぽけな、虫けらみたいに。

そう、あたしは虫けらだ。






突然、ナマエがこんなことを言うから驚いた。


「ねぇ、シャンクス。」

「ん?」

「あたしね、シャンクスは赤い火だと思うの。」

「赤い火?」


突然、突拍子もないことを言うから、俺は聞き返す。


「ええ。赤い火よ。それでね?あたしは、ちっぽけな虫けら。」

「ほう。それまたどうしてだ?」


ナマエの口から、またも突拍子のない言葉が零れる。
その一言に、なんの意味があるのか、
俺は、静かに耳を傾けた。


「ことわざであるじゃない。“飛んで火に入る夏の虫”って。あたしは、シャン
クスという赤い火に入るちっぽけな虫よ。」


これは、おもしろい。


微かに笑いながら、俺は思う。
俺が赤い火で、ナマエが虫か。


「じゃあ、それをことわざにすると、“赤い火に入る夏の虫”か?」


そう言って、ナマエを見つめる。
するとナマエは、少し何かを考えてから、首を横に振った。


「ううん、実質的にはそうだけど、違うわ。言うとしたら、“赤い火に溺れる僕
の君”とか?」


小さく笑うナマエが、自棄に色っぽい。
思わず、魅入ってしまう。
それから、自分を嘲笑した。


ナマエよりも、自分がナマエに溺れてる。


「ナマエ。」

「え?」


名前を呼んで、こっちを向いた隙に唇を奪った。


「んっ…」


ナマエは、ちっぽけな虫けらじゃない。
綺麗に羽ばたく、七色の蝶だ。

俺は、七色の蝶に溺れる、赤くしか輝けねェ火。


「溺れてるのは俺の方だ、ナマエ。」


赤い火に溺れる僕の君。
七色蝶に溺れる赤い火。


fin..






あれ、こんな終わりになるつもりじゃなかった(ぇ
まっ、思いつきだからしゃーないかっ(オイコラ)

駄文、許してください。





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