shanks
□嫉妬
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いい年したおっさんが、長年付き合ってきた仲間に嫉妬するとは…
「…なんつーこった。」
船長室に虚しく響く言葉。
気晴らしに、溜まった仕事でもやろうと思って戻ってきたのはいいものの…
まったく、仕事に手がつかない。
「はあ…」
何回目かの溜め息。
ぼふっと、ベッドに座り込んでみれば、さっきまでここで気持ちよさそうに寝ていたナマエの香りが鼻をくすぐる。
だめだ、完璧にはまってる。
…別に、仲間と仲良くしていたっていいんだ。
むしろ、そっちの方が安心する。
気軽に口を聞いていい。
話すななんて言わない。
仲間と仲良くしてる方が、嬉しいんだ。
でも、でもな?
やっぱり、必要以上に違う男に触れるのはだめだろう。
例え俺が、その男を信用していてもだ。
「はあ…」
また、溜め息。
いつかこの部屋が自分の溜め息で埋まってしまうんじゃないかと思ってしまう。
その時だった。
――トントン
小さな音が、船長室に可愛く響いた。