shanks
□腕の中で
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朝、カーテンから漏れる光で目が覚めた。
まだ、瞼が重い。
目をこすりながら、隣を見ると愛しい人の寝顔がそこにはあった。
カーテンから漏れる光に照らされる、寝顔。
そこには、いつもの四皇である彼の鋭さは無く、柔らかい雰囲気が彼の周りを纏っている。
ナマエは、じっとその顔を見つめていた。
左目の傷。
少し生えた髭。
綺麗な、赤髪。
格好良くて、可愛くて。
心の奥から、愛おしさが渦を巻いて溢れてくる。
…好き。
そう、小さく呟いてみたって答えなど返ってくるはずも無く。
小さく、笑ってみる。
そろそろ、ベンが起きる頃だから自分も起きよう。
そう思い、ベッドから出ようとした時だった。
「…ナマエ。」
小さく掠れた声が、自分の名を呼んだ。
「…シャンクス?」
思わず振り返ってみると、眠そうな目をしたシャンクスと目が合った。
さっきの言葉を聞かれたんじゃないかと、顔に熱が集まってくる。
「ナマエ…行くなよ。まだ、寝てろ…」
だけど、返ってきた言葉は予想とは違って。
言葉が奏でる愛おしさに、胸が小さく疼く。
シャンクスの片腕に身体を持っていかれ。
もう一度、布団の中にもぐりこめば、もう二度とこの中から出れないことなど分かっていて。
シャンクスの胸に顔を押し付けながら、瞼をおろす。
そして、大好きな人の香りをかぎながら、夢の中へと落ちていくのだった。
fin..