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□交わらない愛
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「ルフィ、好きだよ。」
「あぁ、俺も好きだ!」
なんて綺麗な言葉なんだろう。
“好き”
残酷で綺麗で美しい言葉。
あたしはルフィが好きだ。
だからいう、好きだと愛しているんだと。
そしたらルフィはいう。
俺もだ、俺もお前が好きだと。
言ってることは一緒なのに、意味は違う。あたしたちの愛は、交じったことがない。いつもいつも、交わらずに傷だけ残していく。
「ルフィ?」
「ん?なんだ?」
屈託のない笑顔は、何も知らなさそうで純粋で。
なのに、あなたは分かってる。
あたしとあなたの好きが交わらないこと。あなたは好きの言葉のように、残酷で綺麗で、美しい人。
「好き、」
愛してるの言葉は、彼の手に消された。
笑ってるくせに、なんでそんな寂しそうなの。
「それ以上は言うなよ、ナマエ。なっ!さあ、肉くおうぜ!いっぱい喋ったら、肉なくなっちゃうぞ!」
やっぱりあなたは、純粋で綺麗だ。
愛してるを消したあなたの手は大きくて、優しくて。
その手でいっそ、あたしを殺してほしいと思った。
交わらない愛
(あたしは狂うほどあなたが好きなのに。)
(交わらないなら、消えた思いと一緒に殺してほしい、なんて。)