バテン・カイトス

□時
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それから多忙の日々を送った。
仕事は私が出世すればするだけ増えていった。

仕事だけではない。
政治的な上辺だけの交流、反感、妨害、そんな暗い話もつきものだった。


「バアルハイト様、奥様がお見えです。」


なかなか二人の元へ帰れぬ日が続くとヒカリはミリアルデを連れてくる。
我が子は小さな腕で父である私に抱き付いてきた。


「お父さま!!」


「ああ、ミリアルデ、来てくれたのか…ヒカリ、いつもすまないな。」


「ごめんなさい。毎回タイミング悪いわね私ったら。」


「お父さま!私、お母さまとお話ししたの!ミリィがもう少し大きくなったら三人でアヌエヌエに行きましょう?」


愛する者の笑顔はどんな薬よりも何より回復に繋がった。
その約束も私の夢と同時進行で…とヒカリは面白おかしくプレッシャーをかけてきたものだ。


「ああ…約束しよう。」


「ありがとう!お父さま!」


ミリィを片腕で抱き上げ、ヒカリをもう片腕で抱きしめる。


こんな幸せは他にはなかった。

いつから忘れたのだろう。
自分の笑顔を。




「バアルハイト様、そろそろお時間でございます。」


「ああ、今行く。」



「頑張ってバアルハイト。」



その日は被験体の経過を上議員に説明する予定があった。


予てからの人口精霊付きの研究。
皇帝オーガンによる子孫繁栄への道、必要なら多少の防衛軍事への用途を目的とした発表だった。


重大なのはその先の医療へ役立てること。


噂では私の研究は軍事的な方が有力視されているが、それは帝国ならでわの一人歩きにすぎないとハッキリ言うつもりだった。



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