バテン・カイトス
□理由
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「ふぅ…ったく、ほらよ!」
[間に合って良かった。]
「か、カラス…どうしてここに?」
投げ渡された自分のケースをキャッチして茫然と見上げる。
そこにはカラスが。
「あのなぁ…お前、それはこっちのセリフだぜ?」
「…うん。ごめんなさい。」
カラスはヒカリの横に腰を下ろすと、彼女の話しを聞いてやる。
「…そこまでしてエンドマグナスを探す必要があるのか?」
「あるの!…だって、みんながお互いを疑ったままなんて…辛いから。リュードは自分だって疑ってるのに」
「それはリュードが選んだ道で、自業自得ってやつだろ?…とにかく、もう戻ろうぜ?ヒカリ。お前が戦えるとしてもそんなデッキじゃ俺が危ない。」
「なっ!!失礼ね!…ぎゃあっ!オレンジが腐ってる…腐った魚もある…」
半歩後ろでデッキを眺めて悲鳴を上げるヒカリ。
「おいおい…意図的なデッキじゃなねーのかよ…」
「…はぁ。エンドマグナスどこ行ったんだろ。」
その呟きが今のカラスには辛く痛かった。
そんな事も知らず、ヒカリはカラスの後ろをついて行く。
「…明日になればまたわかるだろうよ。早く戻って寝とくんだな。」
終わり