その他詰め合わせ

□人間とは
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「##NAME1##、そこにいるんだろう?」



ルシフェルの呼びかけに応えて柱から顔を出す人。



「よくわかったね。」



少しふてくされたような顔をして出てきたのは天界と下界を自由に往き来できる人間の女ひかり。



「お前がここへ来るのはだいぶ前から知っていたさ。」



フッとルシフェルは笑むと、ひかりへ歩み寄った。


そして、彼女の身体を光が包めば未来の洋服が着飾る。



「それは未来の女達の服装の一つだ。」



「可愛いけれど…目立つし、森に入る格好でもないんじゃない?これで家事をするの?」



古代の服装からして、仕事重視のひかり達には少し煌びやかすぎる服。



「…ところで、ルシフェル。彼、イーノックなんだけど…」



ふと変わる話題。


あぁそうだ。ひかりはいつもあいつの話ばかりだったな。


「あいつはもう決めたんだよ。ま、簡単な事じゃないが取引にはちょうどよかったんじゃないかな?」



堕天使を罰したあかつきには、"ただの人間"にすること。




「だって、きつい戦いでしょ?…不老の力を授かっているのに、わざわざ"ただの人間"になるなんて…もったいないなぁ。」


「あいつにとっては、それが重要なんだよ。」




そう。
愛する相手と同じ時を過ごしたい故だ。



ひかりとの会話はこれで幾数回目。



幾度時を戻しても
彼女が俺の気持ちと同じになることは一切ないのだ。



「そろそろ時間だ。」



END

 

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