バテン・カイトス

□ふたり
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二人の間を風が駆け抜ける。


ヒューズの思わぬ言葉に見上げたまま、後ずさりをするヒカリ。


木の幹を背にしてヒューズからはなおも視線がそらせないまま固まる。



『・・・え、えええと・・・えっと・・・』



「・・・出来れば今すぐに返事をくれ。ヒカリは俺が嫌いか?」



慌てているこちらを気にもせず、ズバリと聞いてくるのは彼の性格上仕方のない事なのだろうか。


『わ、わ、私は・・・す』


しばらくぐるぐる考えて
好き、と言う言葉に恥じらいを感じながらも早く言わねばと焦るヒカリの言葉を遮るのはヒューズの口付け。



『ちょ・・・・・・ヒュ・・・・・・ん・・・』


喋ろうとするとそれを止めるかのようにさらに重ねてくる。


ヒカリもそれが嫌ではなくて、体の力を自然にぬいてゆだねていく。


キスがふと止むと、ヒカリの首に少しだけ冷たい感覚が走った。



「・・・拒否しないと言う事でいいんだよな。」


『これ・・・』


ヒカリの首にかかったのは、綺麗な青い宝石のペンダントだった。


「フェルカドの露店で見つけたんだ。気付いたらお前のことを考えていてな。似合うと思って買ったんだ。どうやらミラの庭園で採れたらしい石だ。」


ヒカリの髪を撫でながら優しい目をしてヒューズがそう話す。


『そうなんだ・・・ありがとうヒューズ。大事にするね』



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