その他詰め合わせ
□星の瞬き
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「ここの、おでん。冷たくしても味がしみているから結構お気に入りなんですよー私」
「ええ。美味しいですね」
ゆきめと、ひかりの女子トークを余所におでんを食べ尽くし満腹の幸せに浸る鵺野。
「・・・お客さん、そろそろ店片付けるんでよろしいですかい??」
屋台のおでんは、ほぼ空っぽ状態で嬉しいやら呆れるやら複雑な表情の店主に会計を渡すと一行はそれぞれ立ちあがって別れの言葉を交わす。
「神枷先生、今日はゆきめに付き合ってもらったし家まで送りますよ」
「いえ、鵺野先生たちのおうちとは逆方向ですし、大丈夫です。ありがとうございます。」
ひかりは丁寧にお辞儀をする。
「いやしかし、もう遅いですから・・・」
鵺野の言葉を遮るように「こほん、」と咳払いをする玉藻。
それを察して鵺野は少し間が抜けるも、安心した。
「それなら、玉藻。送ってやってくれ。どうせ今日は歩きだったんだろ??」
以前ひかりが「歩くのが好き」と言うのを2人で聞いたことがある。
それ以来、玉藻がひかりに用のあるときは決まって歩いてくる事を鵺野は知っていた。
そして何より妖狐玉藻が人間らしくなる事に少し落ち着くものも感じ始めている。
「ええ。もちろんですよ。 それでは行きましょう。アディオス。鵺野先生。」
「おやすみなさい。ゆきめさん。」
「あらまあ。狐にも恋心ってあるんですね、鵺野先生。 さ、わたし達も早く帰りましょう!」
「そうだな。」