我が子の爆裂旅日記←
□Love Panic
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2月13日。さとの部屋からは甘いチョコレートの香りが広がっていた。
彼女は、りょうちゃん、えびちゃん、おばちかにあげるバレンタインチョコ作りの真っ最中だった。
「ふっふ〜ん」
鼻歌混じりの嬉しそうな顔。
溶かしたチョコレートを型に流す。本命のおばちかにあげるチョコレートの型は、りょうちゃん、えびちゃんの型よりも一際大きい。
「さーて、後は極め付けに、ルイーダさんから貰ったコレを…」
さとは小瓶に入ったピンク色の液体を取り出す。
しかし、徹夜続きのさとの体には限界が近付いていて、同時に睡魔も彼女に襲い掛かろうとしていた。
「入れ…れば…完……………せ」
彼女はその場にドタリと倒れ、深い眠りに付いた。
彼女の手から落ちた小瓶は床に落ちて割れ、中身が床に広がる。
この彼女の小さなミスが、後に彼女を大変な目に遭わせるとは、まだ誰も知るよしがない。