小説(いただいた小説もこちら)
□◇運命の出会い(製作中)
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それは・・・
運命の出会いだった・・・。
コツッ、コツッ、
大きな聖堂の中を窓から漏れる月夜に照らされながら美少女・・・否、美少年・セリウスが歩いていた。
この聖堂は村のはずれにあるもので、夜に訪ねてくる人はめったにいなかった。しかし、最後に聖堂を巡回するのが彼にとって日課となっていたのだ。
「そろそろ、休むか。」
セリウスは自室にむかった。
この聖堂は大きいが中身はほとんど一方通行だったので、彼の部屋へ行くにはまず教会部分を通らなければいけなかった。
(まったく、ここを作った人間も迷惑なものを作ったものだ。)
教会のステンドグラスは月に輝いていてとても美しかった。描かれている天使はこちらをむいてほほえんでいる。
「天使・・・か。」
―僕が、ここにしかいられない理由を作ったのは、あなたなのですよ―
心のなかでつぶやいた。
ドンッ
「!!」
いきなり戸があいた。
表れた男は、漆黒の髪と目をもち、ぼろぼろのマントを身につけていた。
(・・・血の匂いがする。)
「だれですか。用があるのなら・・・」
「たす・・・けてく・・れ。」
バタッ
「!」
男は崩れるように倒れた。よくみると体中血だらけで大怪我をしていた。
(かなり出血している。・・・が、急所は避けてあるみたいだ。呼吸もしている。まだ助かるな。)
「・・・一体なにものなんだ。」
この出会いが、彼ら二人の運命をくるわせることになる。