裏NOVEL

□carry on
2ページ/11ページ


「早くその解毒剤をよこせっ」

「なら、僕の言うこと聞いてくれるね?」

客観的に見ても非があるのは、無理を云うジェームズ。

けれど、圧倒的に分が悪いのはセブルス。

しばしの沈黙の後、笑顔に根負けした片方が、渋々頷くのだった…───。



   【carry on】



ザッパーン──。
と頭からお湯をかけられ、気持の悪い薬液を洗い落とされた。

『この中和剤がないとそれは取れないよ?』

そう言われて解毒剤にもなる中和剤を目の前でちらつかされた。

ジェームズが出してきた『僕の言うこと』とは──。
大人しく髪を洗わせること。

薬を渡す気がないのは明らかだった。

最初は─自室のシャワーでいいと言ったセブルスに、そんな姿じゃ寮に戻れないだろう?と笑われ。
次に失敗したと思われるぜ?と魔法薬学トップのプライドを刺激してきた。
一人で風呂に入ろうとしたら、僕のせいだから洗うのを手伝わせて…ときたものだ。

なら初めから私に仕掛けるな!と叫びたい。

その内の一個でも首を振ろうものならすぐに、いらないんだ?と薬を盾に取られる始末。

最悪だ──。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ