裏NOVEL
□勉強の仕方
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「リーマス、俺に訊かないのかよ?」
必死で目の前の薬学レポートを仕上げているリーマスに、不服そうにシリウスは言い出した。
「うん。取り合えず、自分でやってみるよ」
顔も上げずに応えて、新しい羊皮紙に羽ペンを走らせながら本のページを捲る。
「何だよ、それ」
シリウスは机に上半身を投げ出しつまらなそうに呟いた。
満月の翌日。
リーマスは疲れで寝込んでしまい授業に出られなかった。
ちょうど苦手な薬草学の授業で、よりによってレポートが出されていた。
調合内容と効能、その他を授業中に調合しながら書くのはまだ出来る。けれど過程から全て、一から調べてまとめ上げるのは、骨の折れる作業だった。
リーマスは真面目に薬学室へ通い、誰に頼ることなく書き続けている。
今日も全ての授業が終ったあと、シリウスの誘いを断ってここへ来た。
何故かここ最近機嫌の悪いシリウスは、また今日もレポートかよ…と整った顔を歪めて着いて来ていた。
「俺が言った通り書きゃ、すぐ終わるじゃねぇか…」
「そんなことしたら、益々頭に入らなくて成績が悪くなるの」
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