novel U
□act.18
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「リーマス!」
一瞬見張った瞳をきつく細め俺はリーマスを助け起こすべく腕を伸ばした。
俺の声で衝撃から目が覚めた二人は息を吸って反応を示す。
「っつ─…おい大丈夫、か?」
するりとリーマスを抱き止めていた腕が離される。気遣う掛け声にうめき声を交えながら、黒髪の──クッションになった相手がリーマスの下から顔を出した。
「っ!?お前っ…!」
相手を見留めるとかっと頭に血が上り…動きが止まる。
俺の声は自然と荒くなった。
「リーマスから離れろ!」
「…わめくなっ…!こいつが怯えて…る?」
鋭い声がリーマス越しに飛び交い、倒れた二人は一緒に起き上がる。
相手の語尾が不自然に釣り上がったのは…リーマスの耳に気付いたからだろう。
俺はその知った顔に、感謝よりも怒りが沸き上がるのを感じた。
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