novel U
□act.11 +α
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「…っ…!…あ」
衝動的にキスしてしまった俺は大人気なく狼狽える。我慢していたつもりはなかったが…やはり其なりに溜っていたのかもしれない。
「わりぃ…」
「……」
何が起ったか理解できないのかリーマスは動かない。嫌がる風でもないが…。
「あ〜ほら!魚!」
また跳ね上がった魚を指差してリーマスの気を引こうとするが効果はなく…じっと俺を見たままだ。
「リーマス?」
「おさかな…もういい」
帰る…と言ったきりリーマスは背を向けて岸を見つめる。俺はどうしようもなく…ただ言われたまま船を岸へと向かわせるのみ。肩を落としてオールを漕いで船を進めるだけだった。
「じぇーむず♪ただいま!」
岸に着くやリーマスは見付けたジェームズに近寄る。
俺はと云うと、なんとなく距離を感じてしまい…事故嫌悪に陥る。
嫌われてしまったか?
「お帰り。楽しかったかい?」
「うん!あっちまでしりうすがつれてってくれたの」
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