novel U
□act.7
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あくびを咬み殺しながら部屋に入ってきたジェームズは、扉を閉めてからある一点をじっと見つめた。
「ふむ…」
しばらく考えて…現状から状況を把握するも、一応という形で俺に伺いを立ててくる。
「ね…アレ何?」
俺には視線を向けずに素直な言葉を投げる。
ジェームズが指差す方角にはベッドがあり、その真ん中辺りにこんもり小さな山が出来ていた。
俺は口許に人指し指を当てる仕草をし『声をたてるなよ?』…と首を振りジェームズの言葉を封じると、目の前で居住まいを正している山に声を掛けた。
「リーマス、もういいか?」
「まだダメ!じゅうかぞえたら!」
声を張り上げながらシーツの山は少しづつ移動する。まだ気に入らな様だ。リーマスは自分のベッドから俺のベッドへ移ったり、隠れる場所を決めかねていた。
途中顔半分だけシーツから出し様子を窺ってくる。俺はすぐに目を瞑りリーマスの希望に沿ってやった。
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