novel U

□act.6
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 リーマスの興味がジェームズの眼鏡から去ってしばらく…。部屋の中はシンと静まり返っていた。

 ぼんやり静けさを満喫しながら俺は椅子の背も垂れに身を預けている。

「なぁジェームズ。彼奴…えらく大人しいな」

「ん…?さっきまではしゃいでたのにね」

 指紋だらけになった愛眼鏡をしきりに拭いて、何度も曇りぐわいを確かめるジェームズ。
 若干お怒りなのだろうか?

「お〜いリーマス」

 取り合えず親友の機嫌より動きのない恋人だ。今は俺達に背を向けて小さく丸まるリーマスに近付き覗き込む。

「何してんだ?」

「ん?ふふっ」

 笑って顔を上げるリーマスを見て、俺は引き攣って絶句した…。

「……」

 目の前には口の回りと手にチョコをたっぷりつけて上目遣いで見上げてくるリーマス。

「いる?」

 何を思ったのか咥えたチョコを口から離し“はい”とばかりに差し出た。

「…ιそれ、どっから出したんだ?」


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