novel U

□act.4
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「ぁ…お前…記憶が…」

「っ!」

 驚いた俺に反応して首を竦め、叱られる前の子供の様に上目遣いに俺を窺う。
 ぴりぴりした感じに違和感は確信に変わっていく…。

「ねえリーマス、此処が何処だか解るかい?」

 愕然として見下ろすだけの俺に対してジェームズは平然と構えて問い始めた。
 頭の中が真っ白な俺は何をどう確認すればいいかなんて思い浮かばない…。

 ただじっとリーマスの次の言葉を待っていた。

「──っ」

 息を飲んでリーマスは小刻にふるふると首を振る。

「じゃ別の質問」

 更にジェームズが質問を繰り返すと、徐々にリーマスの指先に力が籠り、俺のシャツの皺を増やしていく。

「ん…まず君の名前は何かな?」

「……」

「名前…言ってみな」

「…リーマスっ」

 二つ目の質問もリーマスはガンとしてジェームズと目を合わさず…尚且つ答えもしなかった。


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