novel U
□act.3
1ページ/5ページ
「…おはようリーマス」
朝陽に揺り起こされ俺は重い瞼を開く。目覚めて腕の中で眠るリーマスを見、ふっと目を細めてしまった。
朝陽より眩しい寝顔だよな…。
…朝一で脳が弾き出した一人よがりな考えに、照れが入り視界を邪魔する前髪を掻き上げる。
「馬鹿だよな…俺っ」
だがそんな自分すらこいつに出会って好きになれた。
キラキラ光る太陽の柔らかい光り。其を指に絡めればするりと溢れ落ちる鳶色の髪。そのふたつが目見えた時、俺の瞳を刺激する。
少し泣き腫らした目元に接吻けすれば小さく身じろぎ、シーツに額を擦り付けて安眠を邪魔する俺から逃げようとしている。
行動のひとつひとつがいとおしくて…昨夜も俺の我儘で戸惑わせた。
「たくさん泣かせちまったな…」
目を開いたらウサギの様に紅いかも知れない。そう考えて起こさない様に声を潜めて笑った。
昨夜心配だった俺はリーマスのベッドへ潜り込んだ。勿論何も無かったハズもなく、今だ眠るリーマスの身体には俺が付けた朱い跡がたくさん残されている。
.