novel T‐α
□Family visit
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もうすぐ…かな?
僕はそわそわしながら紅茶の入ったカップを持ち上げた。
一口飲んで…やっぱりまた同じ事を考える。
いつもだいたい同じ時間だから…後少し?
カップを傾けながら横目で窓を…窓の外に続く空を見つめていた。
「何か良いことでもあるのかしら?リーマス」
クッキーを差し出しながら母さんが尋ねる──もちろんチョコ入りのクッキーだ──僕は何枚か手にすると、頬張りながら答えた。
「うん。…まぁ、ね!ふふっ」
僕が笑うと嬉しそうに母さんも微笑んだ…。
両親に顔を見せる為…クリスマス休暇の後半は家に戻ることにした。
帰るって事はみんなにしばらく会えないって事。それはすごく淋しいけれど、他のメンバーだって帰省するのだ。
「またね」
そう言って僕らは手を振った。
別れ際、つい名残惜しくて彼の背中を見つめてたら──シリウスは走って戻ってきた。
僕の耳元に「手紙書くから…」と一言囁き、おまけに荷物に隠れて見えない様にかがませて…。
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