novel T‐α

□ツリーの下で逢いましょう
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「もう知らん!」

そう言って相手の顔も見ずに部屋を飛び出した。

頭に血が昇って、冷静に考えることすら出来ない。

セブルスはずんずん進みながら…さっき迄の出来事を思い返し、また腹を立てた。

常になく取り乱す自分が情けなく、このまま自室に戻るのも躊躇われる。
だからか…スリザリンの寮ではなく、外へ続く廊下を歩きだした。

「そういつも思い通りになると思うな…バカ者がっ」

苛付きながら雪が降り出しそうな外へ出て、闇雲に歩みを進めて森へ入る。
冬の空は日が暮れるのも早く、辺りは当然の如く暗くなり始めていた。

頭で現状を把握しているのに、感情が先走って──上手く自分を制御出来ない。
他人に苛付き、こうまで他へ考えが向かない相手も初めてだ。

その相手は唯一感情を現して見せる…ジェームズで、困ったことにその相手に少なからず好意を持ってしまっている。

「それが一番気にくわん!」

自分の感情にさえ今はムカつきの原因になった。

雪雲に覆われた空からは、かろうじて夕陽の光が見えていて、けれど止んでいる雪もいつまた降りだすか判らない雲行だった。

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