novel T‐α
□冬の始まりの夜 <前編>
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好きなんだって気付いたのはいつだっただろう?
その行動や言動が気になって、何か起こるその度に過剰に反応を返して。
笑ってる顔がキラキラしてて。
怒ってる顔が可愛くて。
悪戯を考える企んだ笑顔が格好良かったり。
嫌いなセロリをこっそりよけていたり。
日常のほんの些細な出来事が、君を取り巻く全てのものが…。
今とても愛とおしい。
君が大好き。
言えないけれど。
初めて人に好意を持ったんだ。
一緒に居るだけで鮮やかな毎日は、今まで生きてきた中でも一番光り輝いている。
このままずっと今が続けばいいのに…。
そうすれば、ずっと幸せでいられる。
君の隣で笑っていられる。
気持ちを隠し通すのは大変だけど、君に嫌われたくないから…。
僕は頑張って“今”を守ろうかと思う。
【冬の始まりの夜】
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