novel T‐α

□嘘と駆け引き
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 【嘘と駆け引き】




「セブルス?……入るよ?」

リーマスは数回ノックしたドアを引くと、ちらっと中に顔を入れてみた。

誰もいない…。

「もう?どこに…「お前に覗きの趣味があるとはな…」」

「──っ!」

大袈裟に溜め息を吐いてうなだれていると、唐突に後ろから低い声を掛けられた。

もちろんこの部屋の主であるセブルス・スネイプだ。

「あぁ、驚かさないでくれないかい?」

「声を掛けられて驚くとは…、やましいことでもしていたか?」

くっと口角を上げ、セブルスはリーマスを押し退けて部屋へ入る。

当然用事のあるリーマスも中へ入って行った。

「おい」

「なんだい?」

咎められたと思っていないリーマスの返事は鮮やかで、にっこり笑うと勝手に主の椅子へ腰を落とす。

「許可なく我輩の部屋へ入るな」

生徒が向けられれば、震え上がるような一睨みを軽く受け流し、リーマスは手近にあった薬学の資料を手に取った。

「私達の仲じゃないか。別に今更だろう?」

リーマスは視線を合わさず背中で語り、捲った資料の難しさに顔をしかめた。


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