novel T‐α

□想いの差と身長差
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  『身長差』



「うーん」

唸りながら窓の外に視線を向けると、今にも泣き出しそうな暗い雲が空いっぱいに広がり、辺りは黒に覆われていた。

僕は満月が近い為か気分が優れず、気分転換にお気に入りの樹の下でゆっくり気を落ち着けたかったのだが…スグに面倒なことになりそうだと外出は諦めざるをえなかった。

仕方なくやりかけのまま放置してあった課題に手をのばす。資料が必要で先伸ばしにしていた理由は、僕が一番苦手な科目だったから。

「…っ」

やり始めてすぐに、もやもやした気分に追い討ちをかけるような痛みが走る。
羽ペンを握っていない手で頭を支えた。

昔から何故か、雨が降りだすと痛くり困っている。
生活に支障が出る程で無いにしろ、今は気分が良くなくてやっかいだ。

「分からないや…」

課題の内容の事か、芯からくる片頭痛に対してか分からない疑問を声にして、椅子をならして立ち上がった。
ただ眺めていても課題は終らないのだ。
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