novel T‐α

□ツリーの下で逢いましょう
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ケンカ…と云うか、一方的にこちらが怒っているだけなのだが…は度々有ることで、日常茶飯事なこと。

結局いつも怒るセブルスをジェームズがなだめて、キスや何やらで…有揶無揶に誤魔化されるのだ。

それが嫌な事では無く、構われて嬉しく思うのだから始末に終えない。
感情と云うものはなかなかに難しと思う。
けれど今回はそうはいかせない。謝って来ても許すものか!

「大体…先に誤解を招く行動を取るヤツが悪いっ」

ザクリと雪を掻き分け、拳を握ったまま森を進む。吐く息はとても白かった。
この時既に雪雲から白いモノが溢れ落ちだしていたのだ…。

暫く歩くと、重い雪の為に息が切れてきた。普段運動を余りしない方で、体力には自信が無い。

そんな自分が怒りに任せてだが、かなり深くまで入り込んだものだ…。と呆気に取られながらセブルスは立ち尽くした。

「流石に…」

森に入ること事態は別段気は咎めない。
けれど冬の陽のない森は、雪が降ればとんでもない場所になる。

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