現つの夢
□夕焼け
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夕焼け空の下、一人の陰陽生が土手に寝転がっている。
「っはぁ〜もっくんみたい」
夕焼けの瞳を思い出してみるものの、思い出すのは物の怪の変化を解いた真の姿。
「紅連の目は金の筈なのに…まぁ、いっか」
そういって立ち上がると衣に着いた草などを叩き落とす。
《昌浩…好きだ》
ふと数日前の事を思い出した。
「早く帰らなくちゃ…///」
そして会いたい。
門を潜り、邸のなかへ駆け込むとそこには紅連が腕を組み待っていた。
「紅連っ…?!」
「遅いぞ!こんなに外が薄暗くなるまでどこに行ってたんだっ?!」
中に飛び込んだきり説教説教
「いや、何時もとあまりかわらな…」
「変わらなくてもダメだ!もっと自分のことを自覚しろ!危なっかしいんだから」
「危なっかしいって…」
よほど心配していたのか、紅連の勢いは納まらない。
「危なっかしいじゃないか!女顔でしかも美形で、細くて非力で」
「そこまで非力では…」
「と・に・か・く!心配したんだぞ!」
そう言って紅連は昌浩をしっかりと抱き締める。
「ごめん…」
そこに、蝶がヒラヒラと奥から舞ってくる
シュポ
それは小さく燃え上がり、紙へとかわる。
[そんな所に居ないで早く 上がってきなさい。
そんな所で…見られたら どうするのだ。
とりあえず上がってきな さい。 by清明]
「相変わらずだな」
「プライバシーの侵害。」
何時もより昌浩の反応がタンパクなので紅連はおや?と覗いている。
「清明も素直に言えば良いものを…」