屍界に咲いた黒い花
□隊首会
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「何ですのん?
いきなり呼び出された思うたら こない大袈裟な… 尸魂界を取り仕切る隊長さん方が、──零番隊まで呼んではって…僕なんかの為に揃いも揃って、まァ……
──でもないか」
市丸はのろのろと歩みながら、本来一人の男の姿が在る筈の場を見やる
「十三番隊長さんがいらっしゃいませんなァ。どないかされはったんですか」
「彼は病欠だよ」
そう市丸に答えたのは、九番隊隊長、東仙要
市丸はそれを聞いて、「お大事に」とだけ呟いた
「──フザケてんなよ。そんな話しに呼ばれたと思ってんのか
てめぇ、一人で勝手に旅禍と遊んだそうじゃねえか。しかも殺し損ねたってのはどう云う訳だ」
更木剣八が低い声で唸った
彼は、市丸が戦いの楽しみを独り占めた事が気に入らないのだ
「あら? あれ…死んでへんかったんねや?」
それとは対照的なふざけた声に、剣八は眉間に皺を作る
市丸は構わず続けた
「殺した思うててんけどなァ。僕の勘も鈍ったかな?」
「──ククッ…猿芝居はやめたまえヨ」
涅マユリの、高いとも低いとも云えない声が響く
彼は十二番隊隊長──別名を技術開発局局長──で、自らの身体さえ実験材料としていた
マユリの動かした指先で爪が黒く光る
「我々隊長クラスが相手の魄動が消えたかどうか察知出来ない訳ないだろう。──それともそれが出来ない程 君は油断していたとでも言うのかネ?」