屍界に咲いた黒い花
□迎え
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「あー、久々の尸魂界だ
向こうと比べて相変わらず湿っぽいね!」
「祈騎、明るい口調で笑顔だが尸魂界を貶してる様にしか聞こえないぞ」
祈騎の言葉に間髪入れず流が言った
祈騎は悪怯れも無く現世の雨で濡れた髪を掻き上げ「だってホントの事だもーん」と笑った
毛先からぽたぽたと落ちる雫が、乾いた地面を濡らす
服からも水滴は溢れ、三人が歩く後を追っていた
「まぁ、間違っちゃいねぇけどな
…っと──祈騎、流、お迎えだぜ」
少し前方を歩いていた琉華の台詞に、二人がその先を向く
ばたばたと足音を響かせこちらに来る人の影が数個、確認出来た
目の前まで来てその人物達は止まるが、二人、そのまま速度を落とさぬ者が居た
その者の"範囲"から、賺さず避ける流と琉華
「ん? あれ?」
そして、逃げられなかった祈騎
「「隊長おかえりぃー!!!!」」
「えっ? ぎゃーっ!!」
二人の娘に飛び付かれ、祈騎は飛んだ
と云うか衝撃と二人に圧され地を滑った
「たいちょー!待ってたよー!」
「ひっさしぶりーっ!!」
「……」
「「あれ? 隊長どうしたの?」」
「…とりあえず祈騎の上から退いてやれよ」