屍界に咲いた黒い花

□雨の蝶
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「祈騎! 祈騎!」
「あぁ、黒崎一護クン」

浦原商店前。木に背を預けながら、彼女は一護に向かってひらひらと手を振った。隣…足元には黒猫の姿
一護は祈騎の肩を掴み、揺らしながら彼女に問う

「ルキアは何処だ!!」
「さぁ、知らないよ」
「とぼけんじゃねぇ!!」
「はいはい、耳元で騒がないの
 ルキアちゃんの居場所なんて本当に知らないって」

嘘を吐いていないと思われる祈騎の言葉に、一護は小さく舌を打った
頼みの綱だった祈騎が知らないとなると、ルキアは一体──

「まぁ、行く先なら分かるけど」

あっさりと言ってのける祈騎に、一護は眼を見開いた
再び肩を揺らそうとしたが、今度はするりと腕から逃げられた

「あっちに帰るんだよ」
「…何だ‥それだけなら」

安堵した一護だが
次に出た祈騎の言葉に、驚愕する事となる──

「処刑しに、ね」
「──は…? 処刑って…な、何でだよ!!?」
「こっちへの無断長期滞在、人間への能力譲渡
 ──その他諸々の罪でね」
「な──俺の所為で──」

一護は俯き、唇を噛んだ
握る拳に力が入り、皮膚が切れる感覚がした
そんな彼に、やけに冷静な声が降る

「──勘違いするな」
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