屍界に咲いた黒い花

□転校生
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「転校生を紹介する」

担任のその言葉で、騒がしかった教室は一気に静まった

「静かにしろー…って言う前に静かになったな
 んじゃ、入ってきていいぞー転校生!」

担任の声を合図にガラッ と云う音を立て戸が開き、同時に一人の女が姿を現した
すらりとした身体に、漆黒の長い髪と瞳を揺らす彼女に、男子生徒は勿論、女子生徒も思わず息を呑んだ
少しの沈黙が教室を包んだが、

「俺の隣空けるから此処に座ってェーー!!!!」

と、それこそ学校中に響くのではないかと云う大声と勢いで浅野啓吾がそれを打ち破った

「啓吾、うっさい」

叫ぶ啓吾に間髪入れずにそう言い放つ女子生徒が一人
それと同時にその彼女、有沢竜貴は何の躊躇も無く彼の顔面に鉄拳を飛ばした

「痛ッ!!ひどっ!!!!」

ふざけ半分ながらも顔を押さえ涙目になる啓吾に、"転校生"の彼女はクスクス笑い「大丈夫?」と声を掛ける

「あっはいっ大丈 「うっせ」 ぶっ!!?

声を掛けられ浮かれた啓吾に、またも竜貴の鉄拳が入る

「こんな馬鹿は放って置いていいから。自己紹介どうぞ」

啓吾への態度とは打って変わって、竜貴はにっこりと笑って言った
"転校生"はその言葉に担任に目を向ける
担任も同意の意味で頷いた
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