LOSOT MEMORY
□10.
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今日の任務には、第一部隊のあいつが一緒らしい。
「今日はお世話になります。タツミさん」
「よろしくな」
俺に挨拶にきたのはルナだ。
話には聞いている…、まぁ今や知らない人はいないと思うが、ルナの記憶はない。
詳しい事は聞いていない。
ただ、今回、違う部隊に来たのは、いろいろな人と一緒にいることで、記憶が戻るかもしれない、という考えもあるらしい。
こんなとき、なんだし、無理はしない方がいい気もするけど、ルナは言われた事は、任された事は無理をしてでもやる奴だからな。
多分それは、今も昔も変わってない。
ルナはルナだからな。
「あんま気なんか使わなくていいからな、どんどん頼れよ」
そう言うと、ルナは薄く笑って「はい」と言った。
なんだろうな、その笑顔が何故だか胸の奥に引っ掛かったままだった。
「カノン、ブレ公、今日はルナも一緒に行くからなー」
そう言うと、ルナはまた二人にお辞儀した。
「よろしくお願いします、ルナさん!」
「よろしくな」
カノンもブレ公も笑って言った。
ルナをみても緊張の色はあまりないみたいだし、安心した。
その姿を見ていると、初めてルナが来た時の事を思い出す。
あの時は今以上に緊張してガチガチだった。
話すようになるうちに、ルナは仲間思いの優しい奴だと思いだした。
どんな奴にでも優しくて、明るくて、だからルナはみんなに慕われていた。
だからこそ、今回の事で、ショックを受けた奴も多いかもしれないな。
「今日の当番は、コンゴウ3体にハガンコンゴウ1体だ。」
と、任務内容を告げ、回りを見渡した。
単体だとあまり怖い事はないが、固まってこられると厄介だな。
「タツミさん、東に4体ともいます」
と、ルナは言う。
確かソーマが、ルナの感知力は前よりもよくなってるって言ってたっけな。
「おし、じゃあ、2体2時体に別れさせてから戦わせるようにするか」
そう言うと、3人とも頷いた。
東に向かうと、狭めな場所へコンゴウがいた。
あの大きさでよく4体があんな場所にいるなと思う光景だった。
「よし、2体づつに分散出来るようにしろよ。こっちも2人ずつで対応するように」
そう言って合図をしてから敵地に向かった。
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