amorfrater

□其の弐.部屋に入ったらオタク姉貴。
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生まれた頃から時を共に過ごした兄弟。
それなのに俺、そんな、そんな身近な家族に、

(兄貴に照れるとか男として屈辱……ッ!!)

相沢白夜は自分の部屋の前で頭を抱えた。
つい数分前の出来事だ。
兄、相沢銀により白夜の心臓はこれでもかというくらい早鐘を打つことになっていた。

(次会う時どうしよ、また照れそう……)

ぐうたらで怠け者で(同じか?)鬱陶しくて
それなのにあんな格好良いなんて。
……何だか物凄く負けた気がする。
がしがしと頭を掻いた。忘れようとするように。

しかしふと違和感が。
目前にある自分の部屋。間違いはない。
なら中から聞こえる妙に可愛らしいテンションの曲は何だ?

思考がそれに辿り着くのが早かったか、ドアノブを思い切り押すのが早かったか。

「あ、びゃっくんお帰りー」

自分の部屋に入った。入ったんだよな?思わず疑いかけた。
机とベッドとテーブル、それに少しの本とゲームしかなかったはずの俺の部屋に
兄弟内で唯一の女、姉貴である相沢亜科の私物がこれでもかと詰め込まれていた。



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