小説

□日向ぼっこ
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ぽかぽかと日の当たる、暖かい場所。
それは、図書室の1番端っこだ。
そこが、私の特等席。

意識がボーっとしてる時に、誰かに揺すり起こされる。

「ほら、あおい起きて?」

この声の主は、隣に座っている。

「……ん?」

まだ眠い中、目をこする。

「……俊介?」

優しく笑うその笑顔は、俊介だった。

「あとちょっとで、昼休み終わっちゃうよ?」

教室に帰らなくていいの?と首を傾げた。

「……あと、五分だけ……」

まだ寝てたい私は、また腕の中に顔を埋める

「あと五分したら、昼休み終わっちゃうって」

楽しそうに笑う俊介は、私の頭を優しく撫でた。



結局私は、五時間目が始まる直前に起きた。
……とゆうか、起こされた。

「なんで俊介、起こしてくれなかったのっ?」

走りながら聞いてみる。
少し、授業に遅刻しそうだ。

「起こしたのに……あと五分っていったの、そっち」

楽しそうに、私の横を走ってる。
我ながら自分勝手だなと思うのに、彼はそれさえ楽しんでる様だ。

「……なんで怒らないの?私こんな、自分勝手なのに……」

ふと、聞いてみた。
自分勝手なのに……何で怒らないのか不思議だった。

「んー……だってあおいはさっ、ちゃんと反省してるでしょ?」

返って来た言葉に私は、ビックリして立ち止まってしまった。

「……え?」

口をぽかんと開ける。
彼はそれを見て、微笑んだ。

「さっきちょっと、悲しそうだった」

頭を撫でられ、腕を掴まれる。
一気に顔が赤くなるものの、掴まれた腕を振り払えない。

「え、あっ、ちょ……」

焦る私を見て、楽しそうに笑いながら

「ほらっ、行くよ」

って、2人でまた教室に向かいながら走った……
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