メモ帳

夢のネタなど
◆アニポケサトシ 


その人はいつも重たげなバックパックを背負っていて、それでいてやけに身軽そうに見えた。バックパックの中にはテントや、寝袋やら、使い込んだコーヒーマグが詰まっている。野宿をした翌朝は、随分早くから起きていて、そのマグでコーヒーを飲んでいた。
美味しくしようという気概はないと言っていたが、昔一口貰った時は、俺にはそれがうまいのかまずいのかもよくわからなかった。
少し眠そうな顔で笑うその人の笑顔、はっきりと覚えている。


その子との旅路は穏やかとは言い難かったと思う。良い子であるのは太鼓判だが、トラブルメーカーでもあり、一人の時よりも多くのささやかな事件に巻き込まれたのは確かだった。
年下の子どもと旅をするなんてことは初めてで、私はたまに保護者然とせざるを得なかったり、姉弟の気分になってみたりと、気持ちのうえでも振り回されたと思う。
野営を明けた朝、私はなんとなくいつもコーヒーを飲んで、たまにその子にも淹れてあげた。ポーションと砂糖をたくさんいれておくと、その子は少しムッもしつつもちゃんとお礼を言った。
良い子だった。
良い思い出だ。



目が覚めると、ブラッキーの赤い目と目があった。
手を伸ばして頭を撫でる。ビロードのような毛並みをしばらく触っていると、コーヒーの匂いがふわりと薫った。

またやられた。

のそのそ起き上がる。顔を洗って居間に向かうと、その子は得意気な笑顔で湯気の上がるコーヒーのマグを差し出してきた。

「おはよう」
「…おはよ、ありがとう」
「今日は自信あるぜ」

確かに薫りが良い。良い豆が無駄にならなくてよかったと、こっそり薄情なことを考えつつ感想を述べると、その子はパッと笑顔になった。
表情は変わらないのに、ずいぶん大きくなったものだ。昔の夢を見たからか、やけに感慨深くて頭を撫でると、ムッとした顔で手をとられた。頬が赤い。

「子どもみたいにするなって」
「わかったわかった」

私はコーヒーを飲みながら、今朝の夢のことを話すことにした。今より小さなその子との、旅の思い出を。



おねしょた感

2018/12/03(Mon) 11:30 

◆過去拍手 pkmnノボリ 



「彼女の好きなところですか?」
「うん、なんかいつのまにかそういうことになってたけど実際どこが好きなの?」
「…そうですね…図を用いても?」
「は?」

1時間後

「完成いたしました!彼女の好きなところをまとめた図と表とグラフでございます!小さな紙ではやりづらかったのでホワイトボードとプロジェクターを、おや?クダリ?」
「ああ〜っまたスナッチ失敗したぁ〜。終盤みんな捕まえてクリアとか無理だよね。ブラッキーとエーフィ頑張って!」
「(こいつ懐かしいゲームを発掘してまで…)」



GC版のポケモンコロシアム好きでした…。

2018/09/07(Fri) 12:28 

◆どじっこノボリ氏と観光に来ました(お台場) 


「わたし、モノレールに乗ったの初めてでした。なんか良いですねえー視界が高くて」

「そうでしたか。少々値は張りますが、風情のあるものでございますね…おや…あれは、観覧車…ここは横浜…?」

「違います、あれは商業施設」

「パレッ…ト…ずいぶん立派な施設で…ハッ、あちらにも大きな建物が…!?」

「あれはダイバーなんちゃらですね…色々とありますよ?」

「そんな…わ、わたくしは一体、ど、どこに行けば…今日という日のためにどこに行くべきか…!!」

「あ、あー、ノボリさん!落ち着いてください、今日はガン●ムの!ガ●ダムの立像を見にきたんですよ!!」

「ハァッ、そ、そうでございました…。い、行きましょう」

「(危なかった)」


手を繋いで歩いて行きました。

2015/04/30(Thu) 23:58 

◆スイーツ男子ノボリ 


「ノボリさん、休憩室にこれが残されていたのですが、ノボリさんのものですか?」

「え、…あ、ああ…!
(それはわたくしの最新スイーツ100選マップ付き情報紙!なぜよりによって貴女さまが!?クール真面目キャラで売っているわたくしのイメージとは真逆!ここは面倒なことにはなりますがクダリに濡れ衣を着せるしかない!)
…いえ、それは、クダリの、」

「え?クダリさんのですかあ。さっき悪いのですがちらっと中身を覗いてしまって、そしたら私のお気に入りのお店に丸がついてたんですよ!じゃあ今度いくときはクダリさんをお誘いしてみようかな」

「それはわたくしのものです」

「え?」

「それはクダリのものではなくわたくしの私物です。今度是非ご一緒しましょう」ニコッ

「え、え?は、はい、そうですね!(?)」

2015/04/13(Mon) 21:34 

◆手持ちとトレーナー(ポケモン) 


「手持ちはトレーナーに似るって聞きますけど、確かにノボリさんとシャンデラって似ていますね」

「デラシャーン?」
「え、それは…顔が、でございますか…?」

「いや、雰囲気が(今ちょっと顔も似てたけど)」

「左様ですか…。ですが、少し嬉しいですね。彼は大切なパートナーでございますので」
「しゃんっ」

「ふふふ、そうですよね」

「(お返ししなくては)…あの、貴女とカイリキーも、その」

「ノボリさん、いいですから」

「足が2本ついているところが、その、よく似ていて」

「結構ですから」

2015/04/08(Wed) 00:44 

◆bbc探偵 

ジョンがフラットに帰ってくると、玄関の花を活けていたらしいハドソン婦人が、花瓶を持って出迎えた。どうかしら、と花瓶を置いた彼女に問われて、ジョンは微笑んだ。花の良し悪しはさっぱりわからないが、素直に「綺麗ですね」と褒める。
そして、階上に上がろうとしたが、ハドソン婦人に呼び止められた。

「静かに上がってちょうだいね。面白いものが見られるわよ」

婦人はそう言いながら、楽しそうな表情だ。
ジョンは首を傾げたが、2階の共用スペースに上がり、ふと部屋を見回して、目を丸くした。

フラットメイトであるシャーロックは、ソファに腰かけて、腕を組んで目を閉じていた。
また"マインドパレス"かと思ったが、背もたれに背を預けて弛緩した姿勢から、眠っているようだ。

そして、その膝に頭を載せてソファに転がっているのは、シャーロックの年下の幼馴染みだった。のびのびと手足を伸ばして、気持ち良さそうに寝息を立てている。
シャーロックの表情も、いつもより和らいでいる。
その姿は、兄妹にも、恋人にも、夫婦にも見えて、互いの信頼が感じられた。

とりあえず、とりあえず1枚…と、ジョンは笑いをこらえながら、携帯のカメラを向けた。



*彼の懐に入れるのは、どんな立場の人でしょうね。

2014/08/11(Mon) 15:16 

◆神父と悪魔祓い(ノボリ) 

町外れの小さな教会の中に、祈りの声が響いていた。
低く静かな声で紡がれる詞は、敬虔な信仰に満ちている。古びたステンドグラスからそそがれる光が、膝まずいた男の灰色の髪を照らしていた。
と、その時―――ばたんと大きな音を立てて、教会の扉が開け放たれた。


「またお祈り?たまには外に出て、運動でもしないとさぁ。太るよ」
「…またあなたはっ!扉を蹴って開けるのはお止めくださいまし!」
「わたしが直すからいいじゃん」


扉を開け放ったのは、黒いコートを着た女だった。教会に似つかわしくない、汚れた旅装束だ。女は大きな荷物を床に放ると、男の小言は気にせずに、教会の椅子に腰かけた。
女の静かなため息がふと響き、男は口を閉じて、女に歩み寄った。

女は傍らに立つ男にちらりを目を向け、すぐに目を伏せた。その表情は、静かに疲れていた。


「結界を張り直しておいた。…また、しばらくしたら来るから」
「今回は、いつまでここに?」
「どうするかな…考えてない」


女はそう言うと、今度は悪戯っ気のある目で、男を見上げた。さあどうする、と問うているようだ。
男は眉を寄せて、口を開けたり閉じたり、顔を赤らめたりむすっとしたり、しばらく黙りこんでいたが、やがて観念したように女の耳元に口を寄せた。


「できるだけ…長く、居てくださいまし」


女はにやりと笑うと、男の背に手を回して、ぐっと引き寄せた。





神父ノボリさんと悪魔祓い。ポケモンが悪魔とされてるか、DMC的な悪魔が存在する世界の話。

2014/08/02(Sat) 21:46 

◆P4 直斗くん 


部活を終えて帰路につくと、いつも遅い時間になってしまう。夜からでも遊ぼうと誘ってくれる子も居るが、待たせて悪いし、色々と用事もあるので、最近は断ってしまうことが多かった。掛け持ちの部活と、勉強と、最近はテレビ探索も加わり、時間を細かく区切って必要ぶんだけ使っているような気持ちだ。
その日も部活を終え、俺はのったりと帰り道を歩いていた。少しばかり疲れた。たまには甘いものでも食べて帰るかと考えていると、前から白鐘が歩いてくるのが見えた。

「お、白鐘!」

白鐘は俺に気がつくと、先輩と呟いて目を丸くした。あまり表情が変わらない子だが、珍しく驚いているようだ。

「おお、奇遇だなあ。学校帰りか?」
「あ、け、警察に用事があって」
「け、警察か」

この子の忙しさは、なんというか違う次元の話だ。

「先輩は部活ですか…?」
「うん。今日は弓道」

おつかれさまですと言ってくれる。顔が少し赤いので、照れているとわかった。
かわいいなあ。可愛い女の子で、可愛い後輩だ。まあ、白鐘も含めた俺らのグループでは、3年の俺からしたらみんな可愛い後輩なんだが。

「あ…そうだ、俺、甘いもの食べようと思ってたんだ。白鐘も来るか?奢ってやるよ」
「え!でも、先輩…お疲れなんじゃ」
「だから甘いもんだよ。行く?甘いの嫌いか?」
「…す、好きです…」

白鐘は顔を赤くしたまま、もじもじしてそう言った。多くの女の子は甘いものが好きだ。俺も好きだけど。

「でも、先輩…僕、お邪魔じゃないですか?」
「おお?そんなわけないだろ。よし、行くか」

白鐘は笑って頷いた。可愛い後輩には、奮発しておごってやろうじゃないか。


*人気者の先輩と直斗くん。

2014/04/07(Mon) 21:59 

◆陰陽師パロディ 式神刑部(戦国婆沙羅 


ひらひらと舞う白い蝶々。
その軌跡をなぞるかのように、白い指がふらりと宙を掻く。

指の先にとまった蝶々に、ふうと息を吹きかけると、蝶々は消え、全身に包帯の巻かれた奇妙な男の姿が在った。

男は白い指に軽くかけられた、己の手を下ろす。
そうしようとしたが、くっと白い手に力が入り、それを止められた。

「やれ、なにをしやる」
「呼ばれて来たのだ、戯れに付き合う気があるのだろう?」

女の目は細く、笑っている。唇は弧を描いている。美しい微笑だが、どこか人らしくない面だ。
蝶の者、大谷は、何を請われるかとため息まじりに考え始めた。

*婆沙羅は西軍好きです

2014/03/21(Fri) 19:13 

◆ノボリで陰陽師パロディ 


酒を含んで濡れた唇が、紅く染まっている。
磁器のごとく蒼白い面の中に、それだけが紅く色づいていた。

ぼんやりとその紅にみとれていた昇は、切れ長の眼をつと向けられて、はっと息をのんだ。
薄い唇がやわらかく動く。

「うまくはないか」
「は…い、いや!美味しゅうございますっ!」

昇は自分の盃の中身をあわてて飲み下すと、咳き込んだ。うまいのは本当だが、昇はもともと酒に弱い。
涙目で前を向くと、その者は紅い唇から白い歯を覗かせ、ふふふと笑っていた。

宮中にては、陰陽師の晴明と呼ばれているが、この者の本名、はたまた性別まで、いまだに昇はしかと知らない。
縁があって、こうして共に酒を飲むようになっても、知れば知るほどに正体は掴めなくなるようだ。
「昇殿は狐に魅入られた」と、昇のことをそしる声もある。


「お前はよいおとこだなあ」


しかし、たとえあやかしだとしても、もはや離れられる気がしないのだ。
薄く微笑む清明に、昇は顔を紅く染め、居心地悪く目をそらした。


*ノボリさんが博雅。映画も小説も素敵ですよね〜

2014/03/21(Fri) 11:34 

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