ゆめ

□子供ごころ
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頬に長い金の髪がふわふわと当たる。
私は眉をぐっとしかめた。
くすぐったいというか、むず痒い。
手元の本に向けた視線は、文字を追えずに紙面を滑る。

―――ああもう!

ばんと本を閉じ、しかめっ面のまま顔を上げると、ぎょろりとした半目とばっちり目が合った。
私はちょっと驚きながら、口を開いた。


「ねえ、なんなのさー…あついんだけど」
「…今日は暑くない」
「暑苦しいってことだよ!!離れろ!」


私の背中にびったりとくっついたまま、ホーキンスは何食わぬ顔で目をそらした。
私は私の体を挟むように置かれた彼の足を殴った。
当然どかないが、彼は私の腹に回した腕にぐっと力をこめて言った。


「今日はお前といると運気が上がる日なんだ」
「は…あ?」
「だからこうしてるだけだ」


そう言って私の肩に顎を乗せ、目を閉じた。

私はしばらく黙って彼を見つめていたが、その幼い子供のように穏やかな表情を見ていたら、なんだか脱力してしまった。

―――本当かよ。

わからないが、何を言ってもそう言い張るだろう。それこそ子供のように。
しょうがねぇなあ、と思いながら、私は再び本を開いた。




*なんとなく男前ヒロイン。色気が全然ないね。
運気が云々を言わせたかったのです。

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