aph novel
□красивый
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ロシアの気候は嫌いだ。
ただひたすら寒い。
僕は前から行きたい場所があった。
気候、文化、芸術、食
全てが僕好み。
イタリア
僕は疲れのせいか珍しく船酔いで気分が悪かった。
「気持ち悪い…」
マフラーを口元まであげ、顔色が悪いのを隠そうとした。
なるべく皇子とばれないように、普通の客船を選んで乗った。
そのせいか揺れが凄い。
吐いちゃいそう…
次第に頭痛までしてきて、本格的に体調が悪くなってきた。
「大丈夫?」
急に頭上から声が聞こえた。
のろのろと顔を上げると、そこには可愛い顔をした青年が立っていた。
「船酔い?」
床にしゃがみ、僕の顔を覗き込みながら尋ねる。
こくり、と頷く。
すると青年は、僕の脇に手を通し、腰に手を回し立たせた。
「僕んとこベットあるから、そこで休むといいよ」
「ぇ、でも…」
「いいからいいから」
青年は僕より10pほど小さいのに、頑張って僕を自分の部屋に運ぼうとしている。
親切にされた事は沢山ある。
皇子だからね。
だけどこの子は僕が皇子とゆう事は知らないのに…とても優しい。
なんだか嬉しいな。