aph novel

□狂気は媚薬で
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アメリカ独立後。

イギリスの調子は下がる一方なのはヨーロッパに関わらないアメリカにさえ火を見るよりも明らかだった。




パリ条約の時も顔色は最低で、目の下には隈があり、ちゃんと食べてないのか、やせ細っていてこちらには目も向けようともしなかった。

その時に来ていた絵師さんが、ポーズを頼んだ時も、拒否してすぐさま帰って行ったよなぁ。

同じ空間にいたくない、と、言わんばかりにさ。

俺はさ、ただ君に認めてもらいたかったんだ。
隣に立ちたかった。
植民地なんかじゃなく、国として接して欲しかったんだよ。


しかし彼はわかってくれない。


戦争中にはあんなに来た手紙も今は一切来なくなった。


毎日期待しながらポストを覗く自分が情けない。

考えていたらイライラしてきた。

アメリカはすっと立ち上がり、上着を片手に自室を後にした。
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