記憶-キオク-
□プロローグ
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光山ナナ、16歳。
アタシは今日高校生になった。
みんな普通の新高1生だと思うよね?
でも違う。
アタシには悲しい過去がある。
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2年前の中二のころ。
親の仕事でNYにすんでいた。
日本人学校じゃなくて普通のアメリカの学校に通っていたから、あまり馴染めていなくって大変だった。
そんな時、アタシを癒してくれるのがブリューク公園の楠木の下。
木漏れ日が気持ちよくってよく、そこにいた。
ある日、そこへ行かなかったらアタシは彼と出会わなかった・・・
日本人だった。
でも、どこか不思議なオーラがあった。
アタシは、そんな彼に一目ぼれした・・・。
濡れた瞳は木漏れ日で輝きを増し、吸い込まれてしまい様なくらい澄んでいた。
それから、毎日そこへ通うようになった。
ある日その彼が言った。
「どうして僕の事を見ているの?おかげで僕はずっと君の事が気になってしょうがないんだ。好き…みたいだ。」
「アタシは…好き…だからずっとアナタの事見てたの。」
翌日、彼に会うためにまたあの場所へ。
また彼と会い、話をしていた。
名前なんかどうだってよかった。
後から後悔するなんて思ってもなかったから。
その日の帰り道、いつもどうりの道ではなく、ちょっと遠回りをして帰った。
にやけてる顔を真顔に変えなきゃだから(笑
そんな時!!
ドン!!
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アタシは事故にあった…。
彼との記憶はどこかへ飛んでいってしまった…。
彼との想いでは日記を見て知った…。
日記に綴られていたのはこんな文章。
「自分のことを好きと言ってくれる人に出会えた。アタシは今、とっても幸せだ。またブリューク公園へ行こう。」
アタシは誰を愛していたの?
ブリューク公園へ行けば分かるかな?
退院後、すぐに公園へ行った…。
が、彼は来なかった。
1ヶ月も通った…。
でも、会えなかった…。
彼は姿を消したのだ…。
中3、アタシは日本へ帰国した。
もちろん彼のことはあきらめていない。
大学へ行ったときには留学をしてまた、彼を探そうと思っている。
大好きだったみたいだから…