三國無双

□追憶
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「な、今鳥渡外で駆けてきたら、二日間!籠もって仕事するからさ!」

「其の手のお約束は、お守りになられた覚えがついぞ御座居ませんが。供の者達からも逃れて、執務を投げたのは何方です。大体約束というものは守ってこその――」

「……」


自業自得だ。
しかし、余りに小さくなって居る彼を見ていると、不要な罪悪感が湧いてきてしまうのは事実である。
其れに、確かに此の晴天に室内で執務というのは、些か不憫であるように思えるのだ。彼には向かない、といってしまえば其れ迄だ。


――此の儘では埒があかぬし、仕方無いか


自分は、結局此の親友には甘いと、そう気付いた時にはもう遅い。

「では、その供の役目、私が果たそう。
きっと遠駆けなさってからの方が、仕事にも身が入るだろう。
外でも、勿論執務も逃げられぬ様に、責任をもって見張る」





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